去る２０１９年９月２９日　眼前に長良川、金華山、岐阜城を望む岐阜グランドホテルにてJAMDサテライトセミナーが開催された。 前日には清流長良川にて幽玄の宵景色の中、鵜飼を楽しみ会員の親睦を深めた。当日は当初の参加定員枠を増やし、地元の岐阜のみならず甲信越、関東、関西、中国地方、九州など遠方から参加者が来場し、セミナー講師は吉田格副会長と稲本雄之先生が務められた。

吉田格先生には「歯科医療の価値を伝える顕微鏡応用術」というテーマで多数の症例動画を提示して頂いた。その中でも
・見えないものを見てるふりをしていないか、見えないことを理由に不十分な治療を許容してないか？
・よく見えたら困ると思ってないか？
という文言は私のような歯科用顕微鏡初心者にとっては耳が痛い言葉であったが、含蓄のある言葉だった。

稲本雄之先生には「診断のコツとマイクロスコープの応用」というテーマでご講演頂いた。スライドの順番によって甲子園の景色が変わって行く（朝～ナイター）というセミナー参加者を惹きつけるスライド構成は興味深かった。
日々臨床を行なっていると診断を間違えそうになる時が稀にあるが、臨床症状、口腔内写真、レントゲン所見などを国家試験形式にまとめてみると意外なほどシンプルに答えが導かれるといった、大学で学生に教育している先生らしい非常に腑に落ちる講演であった。

また、他学会で座長を務めた後に今回のサテライトセミナーに参加された三橋晃先生の行動力の高さには驚かされた。
最後に事前準備、会場設営、当日の受付など千原明得先生はじめ元町デンタルクリニックスタッフの方々、協賛企業の皆様にはこの場を借りて感謝申し上げます。